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幾重にも世界が重ねられた世界

イシュタル

ユロナ砂漠には、とある伝説が残っている。
イシュタルと呼ばれた、ユークアイ神殿の守護者は、アカシックレコードと呼ばれる場所に接続するポートホールとしてこの神殿を利用しようとしていた。事実、アステラの肉体には種族ωの秘められた力が眠っていた。しかし、マスターソウルの末裔にωの力を操ることは事実上不可能。彼は、その肉体に触れた瞬間、"変化"した。

そう、ωになった。マスターソウル系統がωになったのはこれが最初で最後の例と言われ続けている。しかも、それはこの三千世界の秩序のおきてに反すること。アステラは、そのおきてを幾度となく破ってオメガ宇宙から追放された一人ではあるが、今回のことに関しては明らかな懲罰が与えられた。それは、ギドリタスが今後も存在し続け、また統合することはないだろうという予言をレスタにさせること。彼女の予言は決して外れることがない、なんせ予言の使いなのだから。
流れ星が「アステラの涙」と呼ばれているのは、このことがきっかけと言われている。

イシュタルに関する伝説はいくつかあるが、その中でも目を引くのがアカシックレコードに関する伝説である。彼は、ユークアイ神殿を実際に利用し、アカシックレコードへ何度も接続していた。そこで見つけた別次元の記録のうち、、「オウムガイ」のような生物が特に彼の目を引いた。その生命体の貝は砂漠ではめったに取れない美しい形をしており、一度でもいいから見てみたいという発想にさせた。そして彼は今、ωなのである。自由に世界を行き来できる。そしてオウムガイをいともたやすく手に入れた。しかし、それは脱走し、砂漠の気候に適応してしまった。それが、のちの巨大化石型生命体になってしまった。これがきっかけで、少しはほかのオメガから期待されていたイシュタルも追放されてしまう。

典型的な追放されたωは、無空間とよばれる、ギャラのマキアのもとになったようなだだっ広く何もない世界に閉じ込められるか、逆に自由を与えられ世界を出直してくるように命じられるか、のどちらかである。アステラは、まさに後者であった。しかしまず誕生がマスターソウルであるイシュタルにとっては「物語」を紡ぐことが宿命のうちに入るため、前者ができない。なので、とりあえずは後者で様子を見ることになった。

しかし、イシュタルは止まることを知らない。マスターソウルとしての力と、ωとしての力、両方を併せ持つことができるのならば、アーゼですらも併合できるのでは?という好奇心が彼を操った。そしてまたアカシックレコードへ接続し、アーゼになる方法を探した。それはいたって単純だった。「宿命を捨てること」、たったこれだけ。彼は自主的に無空間へ行き、とことん無になった。これが秀句名を捨てることであると過信していた。そしてそうだった。しかし、彼はアーゼになれたものの、アーゼは非常に不安定な粒子状の物質である。つまり、肉体をもなくし、ただ漂うだけの粒子と化してしまったのである。

イシュタルをその後復活させようとする目論みは何度も起こった。しかし、そのたびにギャラのマキア神が反乱を起こすため、なかなか復活させられなかった。秩序の掟に、「イシュタルを眠りから覚まさないこと」の一文が加えられたからだ。秩序の掟がなぜこれほど重要視されているのかというと、その掟を破った場合、三千世界が丸ごろ変貌してしまうほどの恐れがあるからだ。

ユロナ地方ではその伝説の名残なのか、大切な儀式のときはアーゼにではなく、かといってギャラのマキアの神々にでもなく、イシュタルに祈りをささげている。彼はマスターソウル、種族ω、アーゼという三千世界の三元素をすべて手にした"究極の粒子"なのだから。

もう一つの名残としては、ユークアイ神殿にアカシックレコードへのポートホールがまだ残っていることと言えよう。